根性いらずの健康術

体から心までケアする、てんこ式

欲望を誤魔化すと、穴に落ちる【1000冊読書短縮:小説②】

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私が、上からロープを垂らします

てんこです。8回に渡るてんこ式自己研鑽も今回の小説②で終わりです。今後の人生でまた衝撃を受ける作品があれば追加しますが、どうだったでしょうか。少しでも皆さんの参考になったでしょうか。もちろん、人生、自分で考え抜いて、楽しいことも嫌なこともあって、それが醍醐味かとは思います。最初から答えを知っていたってむなしいだけです。ただし、自分だけで辿り着くというのは、なかなか時間がかかります。死ぬまで何も分からない人が大半でしょう。かといって、導いてくれるレベルの存在なんて、普通は周りにいないと思います。せっかく、世界に向けて簡単に発信できる世の中になったのだから、不肖てんこが、皆の助けになれればと思います。そうすることでまた、私も新たな発見に出会い、より高みに近付けるわけです。win-winなのです。

と言うことで、小説②の紹介に入ります。

 

地味な剣聖はそれでも世界最強です】明石六郎

いわゆる「なろう系」です。なろう系って実は、Web上でフリーで読める作品が多いです。なので、上記リンク先に行けば、作品を読むことができます。最近書籍化してたので、気に入ったら買えば良いと思います。

本作は、なろう系の例に漏れず異世界転生ものです。ただ、毛色が違うのは、主人公のサンスイは最初から強いわけではなく、仙人の元で500年修行して強くなります。そこに、たまたま赤ちゃんを連れた人間が迷い混みます。人間は死んでしまったため、これも修行と言うことで赤ちゃんを育てることになります。ただし、山の中では子育ても難しいので、主人公は500年振りに人里に降ります。その先で、主人公はその強さを買われて武門の名家・ソペードに拾われます。世界には他にも異世界人がいたり、他国の戦争があったりで、サンスイが色々活躍する、そんな物語です。

 

・スイボク

僕は......誰かに褒めて欲しかった、凄いと認めて欲しかった、強いと畏れられたかった

➡主人公の師匠。四千の時を生きる仙人。幼い頃から最強を目指し、仙術を極め、最強の剣を手に入れ、それを手放し、魂ごと自然に返す技、何でも切れる剣、時間操作、全ての攻撃を無力化する技を開発し、3500年をかけて、自分が最強に固執した理由が、誰もが持つ自然な欲求であることを理解した。

私、いつからか「強くあること」に異常に執着してました。物理的に強くなってもしょうがないので、頭の良さとか、仕事ができるとかです。それで、私がそれに執着していた理由が、ズバリ上記のセリフだと気付いたんですね。自分語りですみませんが、子供の頃からあんまり親に褒められた事なかったんですよ。元々、勉強とかできたのもあったし、何かと「上には上がいる」って言うタイプの親でしたので。親には「私がその上だけど」って言い返してました。それはともかくとして、私がこれまで色々頑張って来たのは、結局の所、誰かに褒めて貰いたかったから、です。自分の強い欲望が、承認欲求とか、傲慢であるとはっきり認識した瞬間でした。まさか、なろう系に気付かされるとは。だから食わず嫌いは良くないとアドバイスします。世の中、どこに宝石が落ちてるか分からない物です。

 

・フウケイ 

---三千年間スイボクを討とうと思っていた己の心中が、正義感ではなく劣等感の裏返しだと知られたくなかった

➡スイボクの兄弟子。スイボク師匠は最強を目指す過程で、人間の国を滅ぼしたり、仙人界をぶっ壊したりしてます。フウケイはスイボクを止めるために三千年間修行します。修行の末、スイボクと激突することになるのですが、その中で、自分の未熟について気付かされます。それでも、その気付きを認められないのです。

一番の未熟とはすなわち、自分の欲求を恥じて認められないこと。聞こえの良い、いかにも正しい理由で誤魔化すことです。それに気付けた者と、最後まで認められない者。スイボクとフウケイの対比は、とても心に来ました。

 

世界は密室でできている。舞城王太郎

森博嗣と同じくらい好きな作者。ミステリー作家でスタートしましたが、それはエンタメ性を上げて多くの人の手に取って貰いたいだけで、作者の伝えたい事は愛とか友情とか、そういう感情な気がします。改行をほとんど使わない特殊な文体なんですが、何故かすらすら読めて不思議。本作では、中学生の主人公と、友達で名探偵のルンババが修学旅行先で変な姉妹と出会う事から始まります。なんやかんや殺人事件とか起きまくりますが、読後感爽やかな青春物です。

 

・番場潤二郎

俺が12の時に涼ちゃんが死んだせいでー!なんとくなく俺、12歳のまんまの部分があるんやー!」 

➡主人公の友達。名探偵ルンババ。上記は別に名言ってわけではないのですが、とにかく、叫びます。心の叫びです。思春期ですからね、色々あるのです。果たして、彼のように内に抱えたもやもやをちゃんと言葉で叫べて、そしてそれを本気で聴いてくれる友人がいる人って、どれくらいいるのでしょうね。私は例によってボッチだったので、まぁ、ただの憧れというか、それで、良く覚えています。スイボク師匠もそうでしたが、自分の欲望とか思いがなんなのかはっきり理解するって、存外難しいんですよね。ただ、それが分からない限り、自分を幸せにする対策が取り辛いです。自分をどの方向に伸ばせば良いかも分かりません。

 

これにて、てんこ式の自己研鑽は一先ず終わりです。次回からは、人生に役立つ小技の紹介してみようと思います。それではまた。

 

てんこ式健康術:目次